技術コラム

2024.1.3
バイオ・生分解性プラスチックについて

海洋生分解性プラスチックについて

海洋におけるプラスチック流出問題について

近年、ポイ捨てが原因で海へのプラスチックごみ流出が取り沙汰されていますが、その中でもとりわけ「マイクロプラスチック」という単語をよく耳にします。マイクロプラスチックに関する情報を大阪市のHPが詳細にまとめていますので、まずはご覧ください。

 まちから出たプラスチックごみは、風雨によって川などに運ばれて海に流れ込み、波などによって砕かれたり、紫外線で分解されたりして、小さなプラスチック片となります。マイクロプラスチックとは、微細なプラスチックごみの総称で、5ミリメートル以下のものを言い、近年はこのマイクロプラスチックによる海洋生態系への影響が懸念されています。基本的にプラスチックは自然に分解されることはないため、海域(環境中)に長期滞留し蓄積していくと考えられています。
 マイクロプラスチックは水環境中に存在する残留性有機汚染物質(POPs)を吸着する性質があると言われています。そのため、POPsを吸着したマイクロプラスチックを水生生物が摂取してしまい、生物濃縮がなされ、それらを人が食べることによって人体に害がおよぶことが懸念されています。

マイクロプラスチックは、発生過程によって、以下の2種類に分類されます。
①一次的マイクロプラスチック
洗顔料、化粧品などのスクラブ剤(マイクロビーズを含む)または製品原料となる樹脂ペレットなど、工業的に小さい状態で生産されるもの。
②二次的マイクロプラスチック
海に漂流したり、海岸に漂着などしているプラスチックが長い年月をかけて環境中で小さくなったもの。波による物理的な力で砕けたものや、太陽光(紫外線)によって光化学的に分解されたものがあります。

(出典:大阪市ホームページ「マイクロプラスチックについて」 https://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000463800.html)

「海洋流出ごみ」といっても、海への流出経路としては千差万別です。もちろんすぐに思い浮かぶのは海洋へのポイ捨てごみ(ペットボトルやビニール袋など)ですが、それ以外にもすぐに目に見えない厄介なゴミ、マイクロプラスチックが存在します。上記にある通り、5㎜以下に定義されていることもあり発見及び回収も難しく、海洋に生きる生物たちの体内に残留、その生物たちを人間が食した場合の健康被害についても可能性が示唆されています。

主な対策としては
・ポイ捨てを助長しない各自治体の取り組み(罰則の規定、パトロールなど)
・ごみ分別の細分化、再利用方法の模索
などがありますが、中々徹底も難しく住民への意識付けも厳しい現状となっています。

海洋生分解性プラスチックとは?

そんな現状を打破する可能性がある原材料が「海洋生分解性プラスチック」です。「生分解性プラスチック」という単語は聞いた事があると思いますが、普通「生分解性プラスチック」と呼ばれる原材料・製品の大半が「土壌生分解性」です。読んで字のごとく、特定の条件(水分・温度・湿度・土中温度・土中の微生物の有無等)が揃うことによって、物質の分解が始まり、時間を掛ければ、分解していくというものです。海洋生分解性プラスチックとは、上記の土壌生分解性プラスチックとは一線を画すもので海洋中の微生物の働きにより、海水中においても最終的に水と二酸化炭素に分解されるプラスチックです。

海洋生分解性プラスチックの実用例

・環境意識の高いホテル、旅館向けのアメニティ
・親和性があり、野外ステージも存在する水族館・動物園のカトラリー
・海外観光客の玄関口、空港カフェ向けカトラリー・ストロー

まとめ

現在、東商化学では海洋生分解性プラスチックの原料を用いて、カトラリーをはじめとした様々なプロダクトを鋭意開発中です。地球環境にやさしく、世間へアピール出来る製品を今後も発信していきますので、今後の展開にもご期待下さい。

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