技術コラム

2022.1.25

プラスチック成形のメリット・デメリットとは?

射出成型とは?

射出成形とは、金型を用いたプラスチック成形法の1つです。プラスチックを溶融し、金型内に送り込み、冷却することにより、目的の形状に成形します。射出成形によって製作される製品の幅は広く、生活に身近なプラスチック製品の多くは射出成型によって作られています。また、最近では射出成形の材料として、生分解性プラスチックをはじめとする様々な樹脂材料が用いられています。

>>プラスチックの種類別成形条件とは?

プラスチックの射出成形のメリット・デメリットとは?

メリット

射出成形において第一に挙げられるメリットは量産性です。金型を一度製作してしまえば、材料の分量を調節するだけで素早く成形を行うことが可能です。また、1回の成形にかかる時間は秒単位であり、一つの金型で複数の成形を行うことも可能なので、射出成形は量産性に優れていると言えます。

加えて、射出成形は車のバンパーやプラスチックスプーンなど大小さまざまな部品に使用されているため、成形品の大きさや形の自由度が高く、仕上げ加工がバリ取りやランナー・ゲートの切り離しを行う程度なので、金属加工と比較して仕上げ加工が少ないといったメリットもあります。

デメリット

射出成形におけるデメリットは、金型の製作です。前述の通り射出成型は量産性に優れた成形方法となっていますが、前提として成形品に応じた金型が必要となります。金型の製作費用は高額で、製作期間は1ヶ月以上掛かることもあります。そのため、多品種少量生産には向いていません。

また、射出成型は成形品の形状にも制約があり、樹脂が硬化した後に金型から取り外せる形状にしなければなりません。このことから複雑形状の成形品を製作する際は、アンダーカット処理や抜き勾配などの、金型から取り外しやすくするテクニックが必要とされます。

射出成形で成形が困難な形状とは?

薄肉形状

薄肉形状は射出成形で成形が困難な形状の1つです。その理由としては、金型内の薄肉形状を形成する隙間が小さい部分には樹脂を流し込みにくいためです。また、樹脂が金型の末端部分まで届かない場合もあるため、成形品内部における空洞の発生(ヒケ、またはボイド)や、樹脂の不完全な充填(ショートショット)なども発生が引き起こされます。

成形時の不良を防ぐためにも、薄肉形状の部品を成形する際にはいくつかの工夫が必要となります。例えば、粘度の低い樹脂を選定し薄肉部分にも樹脂を流し込みやすくすることや、射出成形機の射出速度や圧力、樹脂の温度などを適格にコントロールすることにより、薄肉形状の成形が可能となります。

垂直な壁

射出成形において垂直な壁を持つ部品の成形が出来ない理由は、離型(金型から成形品を取り出すこと)の難しさによるものです。樹脂は冷却すると体積が収縮し、金型に張り付いてしまいます。これにより、垂直な壁を持つ成形品を金型から取り外そうとすると、金型と成形品が外れない、または接触部分が摩擦によって崩れてしまいます。そのため、垂直な壁を持つ部品の成形の際は、離型をスムーズに行うために、製品形状に勾配を付ける「抜き勾配」を施すことが求められます。身近なものだと、プリンのカップやバケツなどに抜き勾配が施されています。

アンダーカット

アンダーカットとは、成形品を金型から取り出す際に、型を開けるだけでは取り出せない形状のことを指します。

身近なものを挙げるとすれば、ペットボトルのキャップの内側のネジレ溝部分や、押しピンのプラスチックのくびれ部分などが、アンダーカット形状に当てはまります。

アンダーカット形状の成形品を型から取り出す際は、型を開閉するのみの作業では取り出すことができないため、型を横方向にスライドさせるサイドコア(スライドコア)を設けなければいけません。このスライドコアにより、アンダーカット形状の成形品の型からの取りだしが可能になります。

隅Rのないコーナー部分が尖った形状

隅Rのないコーナー部分が尖った形状は射出成形では難しい形状の1つです。コーナー部分が尖っていると、残留応力が集中してしまうため、離型時に割れや欠けなどの破損を起こしてしまう恐れがあります。加えて、垂直な壁を成形する際と同様に、離型の難しさにも繋がってしまいます。そのため、尖った形状ではなく隅Rを施す必要があります。しかし、隅Rを施すとその部分が厚肉となってしまうため、ヒケやボイドなどの成形不良の発生や、成形品の機能上の問題などを引き起こしてしまいかねません。従って、隅Rを付ける際は成形不良の予防や機能の維持を考慮した適切な設計が必要とされます。

まとめ

今回はプラスチック成形のメリットとデメリットについて、ご紹介しました。

量産性に優れているといったメリットがありますが、それを実現するためには金型の設計が前提となります。加えて、金型の設計には加工トラブルを抑える技術力が必要とされます。

プラスチック成形ソリューションNaviを運営する東商化学は、使い捨てプラスチックカトラリーの国内トップシェアメーカーとして培ってきたノウハウを生かし、多様な業界の皆様に選ばれています。24時間稼働で日産850万個を実現する完全自動化ラインとFSSC22000に準拠した徹底した安全・衛生管理を武器に金型設計・製造~射出成型、組立まで一貫対応しています。近年のバイオマスプラスチックや生分解性プラスチックを活用した射出成型品の開発も行っていますので、新製品開発の委託先をお探しの皆様、お気軽に当社に御相談ください。

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