1988年に、世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)によって設立された組織。人為起源による気候変化やその影響、適応および緩和方策に関して、科学的・技術的・社会経済学的な見地から包括的な評価を行うことを目的としている。
アキュムレータとは、窒素ガスボンベの圧縮性を利用して、射出成型機内の油圧回路に、大容量かつ高圧の油を蓄えるための蓄圧容器のことを指します。
アキュムレータは、主にポンプの回路に接続して用いられます。アキュムレータ内にはゴム膜に包まれた窒素ガスが充満しています。回路内の圧力がアキュムレータ内の圧力よりも高くなると、窒素ガスが圧縮され、アキュムレータ内に作動液が入り込みます。その後、回路内の圧力が下がると、アキュムレータ内に入り込んだ作動液が回路内に放出されます。
この動作を繰り返すことにより、回路内の圧力保持や省エネルギー化を実現します。
また、回路内の脈動吸収や衝撃吸収などにも利用されます。
圧空成形とは樹脂シートの熱成形方法の1つです。具体的な工程は以下の通りです。
熱可塑性樹脂シートをヒーターなどの熱で軟化させます。
次に熱可塑性樹脂シート下側にある金型と上側にある圧空ボックスでシートを挟み込みます。
その後、上側の圧空ボックスから空気を送り込み、熱可塑性樹脂シートを圧力で成形します。
最後に、圧空ボックスから冷風を送り込み、熱可塑性樹脂シートを固めることにより、成形が完了します。
圧空成形の特徴として、高圧力で金型に熱可塑性樹脂シートを密着させることによる、鋭く薄い形状に材料を加工できるというものがあります。
圧空成形は、樹脂シートを金型に吸い付ける成形方法である真空成型よりも、鋭く薄い形状の加工に優れています。
アニーリング(アニール処理)とは、樹脂成型品(または樹脂材料)に熱を加えることにより、「成形品内の残留応力の除去」、「寸法精度の安定」、「成形品の割れ、歪み、変形の防止」を行う熱処理のことを指します。残留応力とは、引張残留応力と圧縮残留応力に分けられます。引張残留応力は外側に向かって戻ろうとする力を指し、圧縮残留応力は、内側に向かって戻ろうとする力のことを指します。
アニーリングを行うには、主に赤外線・遠赤外線ヒーターの放射熱を内部に発生させるアニール炉と呼ばれるものを使用します。アニール炉内に、樹脂成型品を入れ、炉内を一定の温度で維持し、その後炉内の温度を少しずつ常温に近づけていくことにより、樹脂成型品内の残留応力を取り除くことを可能とします。
アンギュラピン(傾斜ピン)とは、射出成型におけるモールド金型を用いたアンダーカットの成形品をスライドコア方式で取り出す際に、型開力を利用してスライドコアを移動させるピンのことを指します。型開力とは、金型による成形が終わった後に、金型を開くために可動するプラテンが後退する際の力のことを指します。アンギュラピンの上部に固定されている金型に角度を付けて設置します。設計時にアンギュラピンの強度や角度を調整しなければ、金型の開閉時にスライドコア(サイドコア)と接触し負荷がかかってしまいます。そのため、アンギュラピンは製作前の強度や角度などの設計が重要となります。
アンダーカットまたはアンダーカット形状とは、射出成型において、成形品を金型から取り出す際に、型を開けるだけでは取り出せない形状のことを指します。
例えば、ペットボトルのキャップの内側のネジレ溝部分や、押しピンのプラスチックのくびれ部分などが、アンダーカット形状に当てはまります。
アンダーカット形状の成形品を型から取り出す際は、型を開閉するのみの作業では取り出すことができないため、型を横方向にスライドさせるサイドコア(スライドコア)を設けなければいけません。このスライドコアにより、アンダーカット形状の成形品の型からの取りだし可能になります。
また、スライドコア方式にはいくつかの種類があり、内側スライド方式・外側スライド方式などがあります。
糸引きとは、金型に樹脂を流し込み、成型後に金型を開いた際に、固まり切らなかった樹脂がスプルーの頂点から糸状に伸びてしまう成形不良のことを指します。スプルーは、射出成型機と金型をつなぐ、樹脂の流路です。糸引きした樹脂は固まりきっていない上に、細長いため、金型や製品に付着しやすくなっています。糸引きした樹脂が金型に付着すると、金型を傷つけてしまう恐れがあり、製品に付着すると、製品の外観不良に繋がってしまう恐れがあります。糸引きが発生してしまう原因としては、成型機の樹脂射出ノズルの温度が高く、樹脂が固まり切らないことが考えられます。そのため、樹脂射出ノズルの温度を下げることが主な対策として挙げられます。その他の対策としては、成型後の冷却時間を長くすることなどが挙げられます。
インサート成形とは、樹脂とインサート品(金属など)が一体化した成形品を製作する成型方法のことを指します。インサート成形は、金型内にインサート品を設置した後、金型を閉じ、インサート品の上から樹脂を流し込み、樹脂を成形することにより、樹脂とインサート品が一体化した成形品を製作することができます。身近なインサート成形品としては、自動車のシフトノブや、金属端子と樹脂本体が必要なコネクターなどがあります。通常の加工や組立では、金属部品と樹脂成型品を接合するための工程が必要となりますが、インサート成形を用いることにより、その工程を削減することができます。その他にも、耐久性・位置精度・接合強度などを向上を実現します。
ウェルドラインとは、樹脂射出成型における成形不良の1つで、成形品の表面に線状の模様が現れてしまうことを指します。ウェルドラインは、キャビティ内に2方向から樹脂を流し込んだ際に、2方向から流し込んだ樹脂同士が合流した際に発生します。発生の要因は主に合流した樹脂の温度によるものです。樹脂成型において熱された樹脂は、金型に入ると直ぐに温度の低下が始まります。樹脂の温度が低下されると、樹脂の表面が固まり固化層が形成されます。その固化層同士が合流すると、樹脂同士が完全に癒着せずウェルドラインが形成されます。
ウェルドラインは、成形品の見栄えの悪化のみならず、成形品のウェルドライン部分の強度の低下にもつながります。
ウェルドラインを完全に抑制することは難しく、対策としては樹脂の流し込み口(ゲート)の変更によるウェルドライン位置の調整など挙げられます。
製品のライフサイクルのあらゆる段階において、環境に与える影響の少ない製品やサービスのこと。
ライフサイクルアセスメント(Life Cycle Assessment)の略。原料の調達から廃棄にいたるまでの製品のライフサイクルにおける、投入資源、環境負荷およびそれらによる地球や生態系への環境影響を定量的に評価する方法のことを指す。
エンジニアリングプラスチックとは、耐熱性や機械的強度などの性能を向上させた合成樹脂の分類上の名称です。通常のプラスチックは熱に弱いため、高い摩擦熱が発生する機械部品として用いると、精度の低下や機械の短寿命化に繋がってしまいます。しかし、エンジニアリングプラスチックは耐熱性に優れているため、高温環境でも精度を維持し、機械の短寿命化を防ぐことが可能です。その特徴から、主に金属と樹脂成型品の中間的なものとして使用されることが多いです。エンジニアリングプラスチックよりも耐熱性に優れたものとして、スーパーエンジニアリングプラスチック(特殊エンジニアリングプラスチック)というものがあります。これは150℃の高温環境でも長期間性能を維持できるものとなっています。
射出成形におけるオープンループ制御(open-roop)とは、成形パラメータ(圧力、速度など各種数値)を確認する機能を持たない制御方式のことを指します。オープンループ制御とは別にクローズドループ制御というものも存在します。これはオープンループ制御とは対照的に、成形パラメータをセンサーなどで感知と確認を行い、コンピューター内に成形パラメータのデータを転送し、設定値と比較・補正を行う機能のことを指します。オープンループ制御とクローズドループ制御を比較すると、性能面ではクローズドループ制御が勝っていますが、クローズドループ制御は価格が高価という欠点があります。
押出成形とは、加熱して液状に融解させた樹脂を型から押し出し、空気や水で冷却し、連続的に樹脂を成形する方法です。他の樹脂成型と異なり、金型の内部で樹脂を冷却し固化させず、加熱シリンダーで樹脂を加熱し、金型の押出口から樹脂を通過させることにより、一定形状の成形を行います。押出成形で主に成形される製品としては、チューブやパイプなどの筒状のものや、包装用フィルムやスマートフォンなどの液晶保護フィルムなどが挙げられます。複雑な形状の成形を行うことには適していませんが、棒状、筒状、シート状などの簡易的な形状の成形を行うことに適しています。また、これらの形状の成形品を連続的に安定して行うことにも適しています。
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