用語集

さ行

最小型厚

射出成形における最小型厚とは、射出成形機に取り付けることが可能な最小の金型の厚さのことを指します。対照的に最大の金型の厚さのことを最大型厚と呼びます。これらは成形機の仕様によって決まります。

最大型厚

射出成形における最大型厚とは、射出成形機に取り付けることが可能な最大の金型の厚さのことを指します。対照的に最小の金型の厚さのことを最小型厚と呼びます。これらは成形機の仕様によって決まります。

サイドゲート

サイドゲートとは、製品の側面部分に取り付けるゲートのことを指します。サイドゲートを用いると金型の加工が容易になり、複数個の段取りにも対応しやすくなることから、射出成形金型において頻繁に使用されるゲートの一つであると言えます。成形後はゲートをニッパーなどで切り取るため、製品に跡が残ってしまうことから、サイドゲートは製品の目立たない箇所に取り付けることが求められます。サイドゲートの他にもゲートには様々な種類があり、代表的なものであればランナーを設けずに直接製品にゲートを取り付ける「ダイレクトゲート」や、離型と同時に自動的にランナーを切断することが可能であるサブマリンゲートなどがあります。金型にゲートを設計する上では、製品の形状・用途・コストを考慮した上で最適なゲートを選定することが重要となります。

シボ

シボとは、射出成形において成形品の表面に付けられた細かい凹凸模様のことを指します。また、成形品の表面にシボを付けることをシボ加工と呼びます。シボ加工は機械加工では難しい複雑な模様を施すことが可能であり、身近なものでは、コンピューターのキーボードやマウスなどにおける表面の微妙なザラつきがシボ加工によるものとして挙げられます。シボ加工を施す理由としては、前述のコンピューターの例のようにデザイン的なものもありますが、傷の軽減、傷を目立ちにくくする、滑り止めなどの機能的な理由もあります。また、シボ加工により、塗料不要の製品を作ることも可能であるため、環境に優しいという一面も持ち合わせています。

射出圧縮成形

射出圧縮成形とは、金型を少し開かせた状態で樹脂を充填し、徐々に金型を閉じながら成形を行う方法のことを指します。通常の射出成形では、金型を閉じた状態で樹脂を充填させるため、充填圧力や保圧圧力による加工トラブルが発生してしまいます。しかし、射出圧縮成形では予め金型を開いた状態で樹脂を充填させるため、充填圧力や射出圧力を抑えて成形を行うことが可能です。これにより、圧力による加工トラブルを防ぐことができます。

射出圧力

プラスチック射出成形における射出圧力とは、溶融プラスチック(熱し溶かされたプラスチック)を射出する際に、ノズルの先端に発生する圧力のことを指します。射出圧力は2種類存在し、1つは金型に溶融プラスチックを充填する際に発生する1次圧であり、もう1つはヒケを防止する際に発生する2次圧です。1次圧は樹脂の温度が高いうちに金型内に充填する必要があるため、2次圧力よりも速度が重視されることが主です。しかし、2次圧に至っては、1次圧で充填された樹脂が固まりかけた状態であるため、速度よりも圧力を重視されます。これら2つの圧力を設定することにより、成形不良や外観トラブルなどを防ぐことが可能となります。

射出成形

射出成形とは、樹脂(プラスチック)成形方法の1つで、溶融樹脂(熱し溶かされた樹脂)を金型内に流し込み、冷やし固めることにより成形を行う方法のことを指します。射出成形は様々な製品を作る際に使用されています。身近なもので言えば、パソコンのキーボードや車のバンパー、プラスチック食器などが射出成形により製作されています。射出成形は1つの成形を行う際の時間のサイクルは比較的短く、また1回の成形で複数の工程を行うことも可能であるため、量産性に優れた加工方法であると言えます。しかし、反りやバリ、ヒケなどといった様々な加工トラブルや樹脂素材ごとの特徴などをコントロールして加工を行わなければならないといった難点もあります。

射出装置

プラスチック射出成形における射出装置とは、溶融樹脂(熱し溶かされた樹脂)を射出する部分のことを指します。射出装置を構成するものとしては、溶融樹脂を熱しながら前進させるスクリューや、スクリューを包むシリンダーなどが挙げられます。射出装置の先端部分には、金型に接続される「ノズル」というものが取り付けれられており、ホッパー→射出装置→ノズル→金型の順番で樹脂が流れることにより、射出成形が行われます。射出装置の性能は、1秒あたりに射出される溶融樹脂の体積を表す数値である射出率や、1秒あたりにスクリューが前進する速度を表す射出速度によって表示されます。

射出速度

射出成形における射出速度とは、1秒あたりにスクリューが前進する速度を表す数値のことを指します。単位は「mm/秒」が使用されます。射出速度に似たものとして、射出率というものがありますが、これは1秒あたりに射出される溶融樹脂(熱し溶かされた)の体積を示す数値の事を指します(単位:cm³/秒)。この2つの数値は射出成形機の性能を語り、適切な数値を設定することにより、シルバーストリーク等の外観不良や、ヒケや欠けなどの成形不良などを防ぐことが可能となります。

射出容量

射出成形における射出容量とは、射出成形機が一度の射出工程(サイクル)で射出することが可能な、樹脂の容量や重量のことを指します。これは射出成形機の仕様によって決まり、最大射出容量が、その製品の成形に必要な樹脂量に足らなければ、成形することはできません。しかし、成形品に対し、最大射出容量が大きすぎると、射出成形機のシリンダー内に残留した溶融樹脂(熱し溶かされた樹脂)が、次のショットまでに焦げてしまう可能性があります。そのため、射出容量が大きい成形機を使用することが良いとは、一概には言えず、成形品に使用される樹脂量に適した射出容量を持つ成形機の使用が望ましいということです。

射出率

射出成形における射出率とは、1秒あたりに射出される溶融樹脂(熱し溶かされた樹脂)の体積を示す数値です。射出率は、射出成形機のシリンダーの直径の大きさや、スクリューの射出速度から求めることが可能です。成形時に射出率が低い、要するに金型に樹脂が充填される時間が遅すぎると、外観不良を引き起こしてしまいます。

充填

射出成形における充填とは、射出成型機から熱し溶かされた樹脂(溶融樹脂)を、スプルーを介して金型内(主にキャビティ部分)に流し込むことを指します。スプルーは射出成型機と金型をつなぐ、樹脂の流路です。また、溶融樹脂がスプルーを介して金型内に完全に充填されるまでの時間を充填時間、溶融樹脂を金型内に充填させるための圧力を充填圧力と呼びます。充填時間は射出成型機が溶融樹脂を射出する速度や溶融樹脂を粘度に影響されます。充填時間の過剰な短さは結果的に射出速度が過度な速度となりガスや樹脂焼けの発生に繋がり、過剰な長さとなるは射出速度の低い設定はウェルドラインやフローマークの発生に繋がります。また、充填圧力の過剰な低さは充填不良に繋がり、過剰な高さは圧力によりパーティング面が開き、バリの発生に繋がります。

ショートショット

ショートショットとは射出成形における成形不良の1種であり、熱し溶かされた樹脂(溶融樹脂)が金型のキャビティ部分に入る前に固化してしまうことにより、金型から取り出す際には成形品の一部が欠けてしまっている現象のことを指します。ショートショットの原因としては、金型に樹脂を流し込む際に、樹脂の先端部分から冷えはじめ、金型の末端部分に到達する前に樹脂が固化してしまうことが考えられます。その他にも金型のスプル―が長すぎることもショートショットが起きてしまう原因の1つとして挙げられます。これ防ぐためには、樹脂が金型の末端部分まで到達できるように、「樹脂の温度や射出速度を調整する」、「金型のスプル―の長さを短くする」などの対策を行う必要があります。

シルバーストリーク

射出成形におけるシルバーストリーク(silver-streak・銀条)とは、成形品の表面に銀条の筋が発生する成形不良のことを指します。その銀色の筋の見た目からシルバーストリークと呼ばれ、成形品の外観不良と判断されます。シルバーストリークが発生する原因としては、溶融樹脂(熱し溶かされた樹脂)の中に水分、または空気や揮発ガスが含まれ、それらが成形品の表面に現れてしまうことが原因です。対策としては、樹脂の予備乾燥条件の確認と変更、射出圧力や速度の調整、金型のゲートサイズの変更などが挙げられます。

真空成形

真空成形(バキュームフォーム 英訳:vacuum forming)とは、薄い板状の熱可塑性樹脂を熱を加えて軟化させ、金型に密着させ樹脂と金型の間を真空状態にして樹脂を金型に吸いつけることで成形を行うことを指します。真空成形は金型の雄型を使う場合と雌型を使う場合の2種類に分類され、それぞれドレープフォーミング(雄型成形)、ストレートフォーミング(雌型成形)と呼びます。真空成形は射出成形と比較して、「金型製作費用が安価」、「製作期間が短い」などのメリットがありますが、成形品1つあたりの費用においては射出成形の方が安価に製作できるため、量産性の面では射出成形に軍配が上がります。

スクリュー

スクリューとは、射出成形型において樹脂を溶かす溶融シリンダー内にある、螺旋状の溝が施された棒のことを指します。樹脂がホッパーからシリンダー内に入れられた後、スクリューが回転することで摩擦熱が発生し、摩擦熱とヒータの熱により樹脂を溶かします。また、スクリューの螺旋状の溝により、樹脂が計量されます。スクリューの回転速度が速ければ速いほど早く計量することができますが、樹脂が溶けきらない恐れがあるため、基本的にはゆっくりとスクリューを回転させた方が良いとされています。スクリューの構造は、計量部、圧縮部、供給部の3つに分けられます。供給部で樹脂を受け止め、圧縮部で樹脂を溶かし、計量部で射出する樹脂の量を計量するといったそれぞれの役割があります。

ストリッパープレート

ストリッパープレート突き出し構造とは、射出成形において成形品に突き出しピン(エジェクターピン)による跡を抑制する金型の構造のことを指します。アクリル素材を用いる際や、レンズ等の透明の光学部品を成形する際に、使用されることが多い加工方法となっています。ストリッパープレート突き出し構造は、突き出しピンの代わりにストリッパープレートを使用して、型外しが行われます。分かりやすく例えるならば、突き出しピンを使用する型外しは「点」で行われ、ストリッパープレートを使用する型外しは「面」で行われるようなイメージです。

成形サイクル

射出成形における成形サイクルとは、1回の射出成形が始まってから終わるまでの時間のことをさします。成形サイクルは「秒/ショット」で表されることもあります。具体的な成形サイクルとしては、下記の通りです。
①型締め
②充填
③保圧
④冷却(可塑化も含む)
⑤型開き
⑥取出し
これら6つの合計時間から成形サイクルは求められ、成形サイクルが短ければ成形品の生産スピード向上、ならびにコストダウンに繋げることが可能となっています。言い換えれば、この成形サイクルを如何に短縮するかが、加工会社または金型製作会社に最も求められることでもあります。

生分解性プラスチック

生分解性プラスチックとは、通常のプラスチックと同様の性質を持ちつつも、使用後は微生物によって分解可能なプラスチックのことを指します。微生物によって分解された後は、生分解性プラスチックは水と二酸化炭素に還元されます。焼却した際の熱量も低いため、焼却炉を傷つけずに大気汚染の影響も抑制されます。また、たい肥を作る際には、生分解性プラスチックは通常よりも早く分解され、たい肥の質にも影響しません。廃棄物の削減と再資源化が可能であるといった特徴から、非常に環境に優しい製品として扱われており、食品業界をはじめとする多くの業界で使用されています。また、生分解性プラスチックは熱可塑性を持つため、射出成形によって加工されることが主となっています。

反り

射出成形における反り(反り変形)とは、成形品が設計とは異なる形に反って変形してしまう成形不良のことを指します。その見た目から、捻じれや曲がりとも呼ばれます。反りの発生は成形品の見栄えが悪くなるのみならず、組立時の他の部品との嚙み合わせ不良や隙間の発生に繋がりかねません。主な原因としては、金型内の樹脂によるものと、金型によるものが挙げられます。。金型内の樹脂による、反り発生の要因としては、樹脂の温度や圧力の不均一が挙げられます。樹脂の温度の低さや圧力の高さは収縮の大きさに繋がります。反りを抑制するためには、金型内の樹脂の温度や圧力を一定にする必要があります。金型による、反り発生の要因としては、金型温度の不均一が挙げられます。金型温度の不均一は、金型との接触部の樹脂に収縮差を発生させてしまいます。反りを抑制するためにも、金型の冷却方法やゲートの見直しが必要となります。

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