私たちプラスチック加工会社は、日々のものづくりを通じて社会に貢献していますが、同時に、その活動が地球環境に与える影響についても深く認識する必要があります。特に、長年使用してきた石油由来のプラスチックは、その利便性の高さと裏腹に、大量の廃棄物として環境問題を引き起こしています。SDGsのゴール12「つくる責任、つかう責任」は、まさに私たちが真摯に向き合い、行動を変えていくべき課題を示唆しています。

このゴールは、持続可能な消費と生産のパターンを確立することを目標としており、資源の効率的な利用、廃棄物の削減、そして環境への負荷軽減を求めています。石油由来プラスチックの使用は、まさにこれらの目標と相反する側面を抱えていると言わざるを得ません。限りある化石資源への依存、製造過程におけるエネルギー消費とCO2排出、そして何よりも、自然環境中で分解されにくいという特性が、深刻な海洋プラスチック問題や埋め立て地の逼迫を招いています。

環境に優しいプラスチックの使用

このような状況を踏まえ、当社は「つくる責任」を果たすべく、石油由来のプラスチックに代わる、環境に優しいプラスチック素材への転換を積極的に検討していく方針です。具体的には、植物由来のバイオマスプラスチックや、微生物の力で分解される生分解性プラスチックなどが挙げられます。これらの素材は、再生可能な資源を活用し、焼却時のCO2排出量を削減する効果が期待できます。もちろん、これらの新しい素材も、その製造から廃棄に至るまでのライフサイクル全体で環境負荷を評価し、より持続可能な選択をしていく必要があります。

アップサイクルの適用

そして、「つかう責任」を促進するためには、製品の設計段階から廃棄物の削減を意識し、長く使える製品づくりを心がけることが重要です。さらに、使用済みとなったプラスチックを単に廃棄するのではなく、新たな価値を与える「アップサイクル」という考え方を積極的に取り入れていくべきでしょう。

アップサイクルとは、不要になった製品や素材に、アイデアやデザイン、加工技術を加えることで、元の製品よりも高い価値を持つ別の製品へと生まれ変わらせる取り組みです。例えば、製造過程で発生するプラスチックの端材を、クリエイティブなデザインを施した雑貨やアクセサリーの材料として再利用したり、使用済みのプラスチック容器を粉砕・加工して、より耐久性の高い新たな製品の原料として活用したりするなどが考えられます。

アップサイクルの推進は、廃棄物削減に直接的に貢献するだけでなく、資源の有効活用、そして新たな産業や雇用の創出にも繋がる可能性があります。また、アップサイクルされた製品は、その背景にあるストーリーや独自のデザイン性によって、消費者の新たな購買意欲を喚起する可能性も秘めています。環境意識の高まりとともに、このような付加価値を持つ製品は、市場においても競争力を持つことが期待されます。

まとめ

私たちは、素材の選定から製品の設計、製造プロセス、そして廃棄後の処理まで、製品のライフサイクル全体を見据えた取り組みを進めていきます。環境に優しいプラスチック素材の可能性を追求し、アップサイクルのノウハウを蓄積することで、「つくる責任、つかう責任」を果たし、持続可能な社会の実現に貢献していくことを目指します。