技術コラム

2025.9.17
プラスチック成形に関する基礎知識

プロテイン計量スプーンで理想の摂取を実現する

日々のトレーニングに励む方、健康維持のためにプロテインを摂取している方にとって、その効果を最大限に引き出すことは共通の願いです。近年、環境配慮の高まりから、プロテイン製品に付属していたスプーンを廃止するメーカーが増えています。これは、単なる不便さの始まりではありません。消費者一人ひとりが、自らの目的や製品に合った「マイ計量スプーン」を選び、より正確で効果的な栄養摂取を実践する絶好の機会なのです。本コラムでは、なぜ正確な計量が重要なのか、そして、無数にある選択肢の中から「理想の一杯」を実現するスプーンを選ぶための具体的なポイントを、専門的な視点から徹底解説します。

なぜ「正確な一杯」が重要なのか?

プロテイン摂取の目的は、トレーニング後の筋肉修復や、日々のタンパク質不足を補うことにあります。この効果は、摂取する「量」と「タイミング」に大きく左右されます。多くの製品が推奨する「スプーンすりきり一杯」といった表記は、その製品の栄養価に基づき、科学的根拠を持って算出された最適な量です。もし計量が不正確で、推奨量より少なければ、筋肉の合成に必要なタンパク質が不足し、トレーニングの効果を十分に得られない可能性があります。逆に多すぎれば、吸収しきれなかったタンパク質が無駄になるだけでなく、過剰なカロリー摂取にも繋がります。実際に、矢野経済研究所の調査によれば、日本のプロテイン(プロテインパウダー)の市場規模は年々拡大を続け、2024年度には2,500億円を超える見込みです。多くの人が自己投資としてプロテインを購入する今だからこそ、その一杯一杯を無駄にしない「正確な計量」が、これまで以上に重要になっているのです。

失敗しない!プロテイン計量スプーンの選び方

では、どのような基準で選べば良いのでしょうか。「素材」「容量」「形状」の3つの観点から、選ぶべきスプーンの条件を解説します。

【素材で選ぶ】安全性と日々の使い勝手を左右する

毎日口にするものだからこそ、素材の安全性と耐久性は最優先で考えたいポイントです。

  • PP(ポリプロピレン): 最もおすすめなのがPP製です。耐熱性・耐薬品性に優れ、非常に丈夫なため、繰り返し洗浄しても劣化しにくいのが特長です。プロテインだけでなく、食洗機で洗いたい洗剤や入浴剤の計量など、幅広い用途に安心して長く使えます。
  • PS(ポリスチレン): 硬く、精密な形状を作りやすいのが特長で、小さな3cc以下のスプーンや、介護施設で使われるトロミ剤用のしっかりしたスプーンなどに採用されています。しかし、薬品や油分に弱く、柑橘系のフレーバーなどに含まれるリモネン等で溶解・変質する可能性があるため、プロテインでの長期使用には注意が必要です。
  • PE(ポリエチレン): 柔軟性があり、安価なため、かつて製品に付属するスプーンによく使われていました。近年では、植物由来の原料を使用した「バイオマスPE」も増えています。

【容量で選ぶ】あなたのプロテインに最適なサイズ

プロテインの種類(ホエイ、カゼイン、ソイなど)によって、粉末の密度(g/cc)は異なります。パッケージに「付属スプーン一杯で約20g」と書かれていた場合、そのスプーンの体積(cc/ml)を確認し、同じ体積のスプーンを選ぶのが基本です。cc表記のスプーンは、1cc=1mlとして考えます。目的や摂取量に合わせて、最適な容量を選びましょう。

【形状で選ぶ】ネット通販時代に適合した「使いやすさ」

スプーンの形状は、日々の小さなストレスを解消し、衛生面を保つ上で非常に重要です。特に、プロテインのパッケージが箱からスタンドパック(袋)に主流が移ったことで、求められる形状は大きく変化しました。

  • 柄(え)の長さ: スタンドパックは深さがあるため、柄の短いスプーンでは袋の底まで届かず、手が粉まみれになってしまいます。衛生面を考慮し、自分の手が袋の口に触れることなく、最後まで快適にすくえるだけの十分な長さがあるスプーンを選びましょう。
  • 先端の形状: 従来の食品用スプーンは、すくいやすさを意識した「丸い」形状が主流でした。しかし、この形状ではスタンドパックの底の角に溜まったプロテインを最後まで綺麗にすくうことができません。先端がやや角張った、スコップやシャベルのような形状のスプーンを選ぶと、貴重なプロテインを最後まで無駄なく使い切ることができます。
  • すりきりのしやすさ: 正確な計量のためには「すりきり」が欠かせません。スプーンのフチが平らで、カードなどですりきりしやすいデザインであることも、重要な選定ポイントです。

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