①プラスチックの製造によって、石油資源の枯渇につながる
②プラスチックを燃やす際の温室効果ガスの発生による、地球温暖化問題
③大量のプラスチック廃棄物が海に流れ出て、海を汚染している
上記、3つのプラスチック問題の中でも、①や②に対しての取り組みは、既に対策に向けた取り組みが開始されています。
例えば、①の取り組みとして、石油資源だけでのプラスチック製造をやめ、バイオマス原料の使用を促す「マスバランス方式」。また、②に対する具体的な取り組みは、地球温暖化問題の大きな原因となっている、温室効果ガスの排出を2050年までにゼロにすることを目標とした「カーボンニュートラル」などがあります。
当社の技術コラムにて掲載していますので、ぜひご覧ください。
>>>カーボンニュートラルのための生分解性・バイオマスプラスチック
そして【③大量のプラスチック廃棄物が海に流れ出て、海を汚染しているという問題】ですが、プラスチック廃棄物による海洋汚染問題は、プラスチックが自然に分解されないことが大きな原因となっています。私たちの手によって作られたプラスチックが廃棄され、河川などを流れて大量に海に流出しています。その量は毎年800万トン以上といわれ、このペースが続くと、2050年には海のプラスチックの量が魚の量を上回る計算になります。
これを解決するために、2022年4月1日にプラスチック新法(正式名称は、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」)が成立しました。
プラスチック新法の特徴は、製造→販売→排出→回収→リサイクルまで、ライフサイクル全体における資源循環を促す内容となっているところです。これにより廃棄物排出の抑制と、再資源化・リサイクルが推進され、地球環境の保全への取組みとして注目されています。
プラスチック成形を生業とする当社においても、環境に配慮した製品ライフサイクルの構築と循環が重要課題であり、材料選定・製造段階へのアプローチから廃棄物削減のための取り組みを行っています。その一つとして微生物によりCO2と水に分解されることが可能なプラスチックの製造をする取り組みを行っています。それが「生分解性プラスチック」です。
このようにプラスチック新法に向けた取り組みが、プラスチック製造企業の私たちにも求められています。そこでプラスチック成形 ソリューションNaviを運営する東商化学では、材料選定・製造段階へのアプローチから廃棄物削減のための取り組みを行っているので、そちらをご紹介いたします。
プラスチック製品の設計・製造に関わる事業者は、以下のような取り組みが求められています。
①減量化(プラスチックの「使用量」を減らす)
②単一素材化(製品に使用される素材の「種類」を減らす)
③包装の簡素化
④再生利用できるプラスチックの使用(バイオマスプラスチックなど)
⑤プラスチック以外の素材への代替(再生木材、紙など)
⑥長期使用/長寿命を前提とした製品開発
⑦処分のしやすさに配慮した設計(収集・運搬、破砕・焼却・分解・分別の容易化)
これらを複合的に反映させた製品を作ることで、従来よりもプラスチックの使用量を削減、また資源の循環を適切に進めることが求められています。より詳細な内容として、環境省が『プラスチック使用製品指針』という方針を定めているため、こちらもご参照ください。
参考:プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」について」|経済産業省・環境省
生分解性プラスチックとは、使用時は従来のプラスチック同様の性質と機能を維持しつつ、使用後は微生物の働きによって生分解され、最終的には水と二酸化炭素に完全に分解されるプラスチックです。一般的なプラスチックは、紫外線や摩耗などで形は崩れますが分子構造は安定したまま微粒子となり、長期にわたって自然環境に残ってしまいますが、生分解性プラスチックではそのようなことが起きない自然環境に優しい性質から、注目を集めています。
生分解性プラスチックのメリットは、プラスチックの廃棄の削減はもちろんのこと、生分解して堆肥などに再資源化して循環することが挙げられます。プラスチック成形ソリューションNaviを運営する東商化学株式会社では、日本バイオプラスチック協会が認証するバイオマスプラ識別表示基準を満たす製品のみ表記が認められている、生分解性プラマークの認証を取得した製品を開発製造しています。
>>>生分解性プラマーク認証と生分解性バイオマスプラマーク認証とは?
生分解性プラスチックと呼ばれる原材料・製品の大半が「土壌生分解性」です。読んで字のごとく、特定の条件(水分・温度・湿度・土中温度・土中の微生物の有無等)が揃うことによって、物質の分解が始まり、時間を掛ければ、分解していくというものです。海洋生分解性プラスチックとは、上記の土壌生分解性プラスチックとは一線を画すもので海洋中の微生物の働きにより、海水中においても最終的に水と二酸化炭素に分解されるプラスチックです。
上記のように当社では、プラスチック廃棄物削減や、地球環境の保全に対しての取り組みとして、生分解性・バイオマスプラスチックの製造を含めた、プラスチック新法に向けた取り組みを行っています。加えて、当社は、使い捨てプラスチックカトラリーの国内トップシェアメーカーとして培ってきたノウハウを生かし、多様な業界の皆様に選ばれています。24時間稼働で日産850万個の生産を実現する完全自動化ラインとクラス10000のクリーンルーム、FSSC22000に準拠した徹底した安全・衛生管理を武器に金型設計・製造〜射出成形、組立まで一貫対応しています。カーボンニュートラル実現に向けた、生分解性・バイオマスプラスチックを活用した射出成型品の開発も行っていますので、新製品開発の委託先をお探しの皆様、お気軽に当社にご相談ください。
プラスチック成形 ソリューションNaviを運営する東商化学株式会社は、食品・医療・化粧品・理化学用プラスチックにおける課題解決により、皆様に選ばれ続けてきました。当社が培ってきた成形技術とノウハウを用いたソリューション提供により皆様の困難なお悩みを解決いたします。