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2022.6.14
バイオ・生分解性プラスチックについて

生分解性プラスチックとバイオマスプラスチックで知っておくべきこととは?

生分解性プラスチックとは?

生分解性プラスチックとは、使用時は従来のプラスチック同様の性質と機能を維持しつつ、使用後は微生物の働きによって生分解され、最終的には水と二酸化炭素に完全に分解されるプラスチックです。世界のプラスチック生産と比較した際に、リサイクルされているものは10%弱に過ぎず、埋め立てや自然界(海洋等)へ投棄されています。その影響もあり環境汚染が深刻化してる背景から生分解性プラスチックの開発が進められています。一般的なプラスチックは紫外線や摩耗などで形は崩れますが分子構造は安定なまま微粒子となって長期にわたり自然環境に残ってしまいますが、生分解性プラスチックではそのようなことが起きない自然環境に優しい性質から今注目を集めています。生分解性プラスチックのメリットはプラスチックの廃棄の削減はもちろんのこと、生分解して堆肥などに再資源にすることが挙げられます。プラスチック成形ソリューションNaviを運営する東商化学株式会社では、日本バイオプラスチック協会が認証するバイオマスプラ識別表示基準を満たす製品のみ表記が認められている生分解性プラマークの認証取得を目指し取り組んでいます。

>>生分解性プラスチックの普及に向けて

>>海洋生分解性プラスチックについて

バイオマスプラスチックとは?

バイオマスとはトウモロコシ、サトウキビなどの生物由来の材料から作られる再生可能な有機資源であり、石油に依存しないプラスチックです。バイオマスプラスチックを焼却した際に排出される二酸化炭素は、原料となる植物などが成長過程で大気中から吸収したものであるために全体の二酸化炭素量が上昇しないという理由から、地球温暖化防止や化石資源への依存度低減にも貢献することが期待されています。そのため近年のカーボンニュートラルへの取組みの観点から二酸化炭素を相殺し、実質ゼロにすることが期待されています。

>>バイオマスプラスチックとは?生分解性との違いも解説!

生分解性プラスチックとバイオマスプラスチックで知っておくべきこと

先述の通りどちらも環境負荷を減らした環境に優しい次世代のプラスチックですが、お客様の中には誤った認識をされている方もいるので、下記にてよくある間違いをまとめています。

①「バイオマスプラスチック」には、生分解しないものもある

バイオマスプラスチックは植物由来のプラスチックであるために、生分解性のような分解するかしないかは関係ありません。むしろ、現在レジ袋に使われているバイオマスプラスチックの多くは自然環境中では分解しません。

②「生分解性プラスチック」の原料は、石油由来のものもある

一方で、土や海など環境中で分解する生分解性プラスチックは全てバイオマス由来なのかというと、そうではありません。もちろんバイオマス由来のものもありますが、石油から作られた生分解性プラスチックも存在しています。石油由来のものが分解すると、従来のプラスチックを燃やしたときと同様、もともと地上になかった二酸化炭素を放出するために、地球温暖化の一因になります。

③「生分解性プラスチック」は、すぐに分解するわけではない

生分解性プラスチックは分解するので、すぐに溶けてなくなってしまうようなイメージを持っている人も多いのですが、分解には時間がかかります。分解の速度は生分解性プラスチックが置かれた環境によって大きく変わってきますが、一般的には3ヶ月から6ヶ月と言われています。これは数百年分解にかかると言われる通常のプラスチックよりも圧倒的に短い時間で分解が可能となります。

④「生分解性プラスチック」は、どこでも分解するわけではない

生分解性プラスチックはどこでも分解するというのも間違いです。一般的に土壌で分解するものを指すことが多いのですが、ポリ乳酸のようにコンポストでしか分解しないもの、土の中でしか分解しないもの、海や川でも分解するものなど、さまざまな種類があります。また、100%生分解性プラスチックでなく生分解性プラスチックと生分解しないプラスチックを混ぜて使うこと意味がありません。

生分解性プラスチック・バイオマスプラスチック製の環境対応事例

①PLA25%+PS スプーン

PLA25%+PS スプーン

本製品はPLA25%+HiPSを原料とした環境対応スプーンです。PLA25%は石油由来原料の削減に役立つ原料であり、それに割れにくい特性を持つHiPSを加えることで従来のカトラリーよりも使用面でも優位性があります。また本製品はバイオマス資源由来のプラスチックを25%以上配合しているから、バイオマスプラマークを取得しています。当社はこの製品のようなバイオマスプラマーク認証製品を多数取り扱っておりますので、お気軽にご相談ください。

>>詳細はこちら

②BioPBS100% 生分解フォーク

BioPBS100% 生分解フォーク

生分解100%のフォークです。バイオコハク酸を使用して、石油原料を削減しています。BioPBS100% 生分解フォーク以外にも、BioPBS100%のカトラリーの製作が可能です。※生分解性プラスチックは堆肥化設備で分解することで、リサイクルが可能となります。

>>詳細はこちら

樹脂成形品でお困りの方は、プラスチック成形ソリューションNaviに!

プラスチック成形ソリューションNaviを運営する東商化学は、使い捨てプラスチックカトラリーの国内トップシェアメーカーとして培ってきたノウハウを生かし、多様な業界の皆様に選ばれています。24時間稼働で日産850万個の生産を実現する完全自動化ラインとFSSC22000に準拠した徹底した安全・衛生管理を武器に金型設計・製造〜射出成形、組立まで一貫対応しています。近年のバイオマスプラスチックや生分解性プラスチックを活用した射出成型品の開発も行っていますので、新製品開発の委託先をお探しの皆様、お気軽に当社に御相談ください。

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プラスチック成形 ソリューションNaviを運営する東商化学株式会社は、食品・医療・化粧品・理化学用プラスチックにおける課題解決により、皆様に選ばれ続けてきました。当社が培ってきた成形技術とノウハウを用いたソリューション提供により皆様の困難なお悩みを解決いたします。